「もっと早く知っていれば」
わが家が大学受験を前にして、何度もそう思ったことがあります。
まさか、進学校から通信制高校へ転学する「時期」のせいで、大学受験の選択肢が狭まってしまうなんて。
当時は、卒業までの単位を揃えることに必死で、引き継がれる「評定」のことなんて、少しも考えていませんでした。
進学校で苦しみながらも通い続けた時間。その努力が、まさか後になって裏目に出てしまうとは夢にも思わなかったのです。
通信制高校への転学を考えるとき、「今、動くべきか」「もう少しがんばったほうがいいのか」
多くのご家庭が悩むと思います。
わが家も、その間で大きく揺れていました。
「せっかく入った進学校。少しでも長く在籍していれば、何かしらの評価につながるはず」
「がんばった分は無駄にならないはず」
そう信じていたからです。
でも、通信制高校へ転学して約半年が経ったころ、ようやく見えてきた現実があります。
それは、転学のタイミングによっては、大学受験の選択肢が狭まってしまう可能性があるということでした。
これは、わが子が実際に直面した「事実」です。
制度の仕組みを知っているか知らないかで、その後の進路の考え方や時間の使い方は大きく変わるかもしれません。
この記事では、わが家が後から知って衝撃を受けた「評定の落とし穴」についてお伝えします。
この記事でわかること
- 無理をして登校を続けることが大学受験にどう影響するのか
- 前籍校の評定(成績)が転学後も引き継がれる仕組み
- 総合型選抜や学校推薦型選抜で注意したい評定基準
- 転学時期によって進路選択に違いが出る可能性
「進学校にできるだけ通い続けたほうがいい」という思い込み
当時の私たちは、こう考えていました。
- 進学校に、できるだけ在籍し続けたほうがいい。
- 学年の途中まででも登校してさえいれば、その分は、転学先でもプラスになるはず。
わが子は、高校1年生の頃から不調を抱えていました。
それでも「ここまでやってきたんだから」と、精神的な不安定さを抱えながらも、なんとか通い続け、結果として2年生の途中まで在籍を続けることになりました。
「少しでも登校して授業を受ければ、その分は何かにつながるはず」
その願いが、じつは大学受験の『制度』の中では、思いもよらないハードルとして跳ね返ってきたのです。
以前の記事で書いた通信制高校の合同相談会で、「単位については、4月〜3月末までの1学年分が、認定されるごとに引き継がれる」と聞いていました。
つまり、2年生の途中で転学したわが家の場合、引き継げるのは「1年生で取得した単位」のみ。
たとえ2年生の半年間、必死に授業を受けテストをこなしていたとしても、年度の途中でやめてしまうとその分の単位は一切認定されない(引き継げない)ということです。
そして当時は、「卒業までに必要な単位数」を確保することに必死で、評定(成績)のことなんて考えもしませんでした。
しかし、いざ受験を考える時期になり、本当にショックな出来事に直面したのは、この「評定の引き継ぎ」についてでした。
衝撃の事実:進学校の「低評定」は、転学後もずっとついてくる
あのときの私たちは、「がんばった分は、必ずプラスになる」と信じていました。でも現実は、まったく逆でした。
転学時期で変わる“制度上の扱い”
- 1年途中で転学 → 評定リセット(通信制で再スタートして高い数値を狙える!)
- 2年途中で転学 → 1年生の評定が固定(リセット不可。当時の不調の成績がそのまま残る)
- 2年生の途中で転学→ その年度の単位は引き継がれない
知らないと危ない「転学時期と評定の落とし穴」
① 2年生途中で転学した場合(わが子の場合)
→ 1年生の評定がそのまま大学受験の持ち点に
1年生を最後まで進学校で過ごしたため、「1年生の評定」が確定して記録に残ります。
→ 不調の影響がそのまま残る
体調不良やそれにともなう欠席、それでも必死に受けていたテストの結果……
決して良くはないその評定の数字が、そのまま大学受験で使われる「持ち点」になってしまったのです。
② 1年生の途中で転学した場合
→ 通信制高校で評定をリセットできる
この場合は、成績が通信制高校でイチからスタートします。
→ 努力がそのまま評定に反映される
通信制高校は、レポート・スクーリング・試験にきちんと取り組めば、高い評定を得やすい環境があります。
わが子も、今の学校の先生から「今の状況ならオール5で間違いない」と太鼓判を押していただいています。
ということから、もし1年生の途中で転学していれば、受験資格のラインは難なくクリアできていたはずでした……。

がんばって登校し続けることが、後からハードルになるなんて……。
そんな『制度の落とし穴』、誰も教えてくれませんよね……。
総合型選抜の『評定4.0以上』という高い壁
わが子が、自分で志望大学・志望学部の募集要項を調べ始めたのは、高校3年生になってからでした。
そこで初めて、総合型選抜でも評定が4.0以上必要な場合があると知ったのです。
(※ 大学や学部によっては評定を問わない場合もあります。志望大学の最新の募集要項は必ず確認してくださいね)
その事実を知って、本当に驚きました。 まさか評定が出願条件になるなんて、考えもしませんでした。
それもそのはずで、私たちは“評定が入試に関わる”という発想すら持っていなかったのです。
まして、前籍校の1年生の評定がそのまま影響するなんて、想像すらしていませんでした。
前籍の進学校は、国公立を第一志望とし「一般選抜(学力試験)」で受験するのが当たり前という方針でした。指定校推薦や総合型選抜の話題が一切出ない環境だったこともあり、私たちは仕組みについて本当に無知でした。
そして、現在在籍している通信制高校には、入学前の相談会でこう伝えていました。
「わが子は精神的に限界を迎えていて、勉強どころではありませんでした。それでも大学に行きたいと言っているので、志望する大学に向けた対策はできますか?」
それに対し、「一般選抜も総合型選抜も大丈夫ですよ」と何度も言っていただき、私たちはその言葉を100%信じて、すっかり安心していました。
わが子は転学して落ち着いてからの半年間、学校のサポートを受けながら、「まずは総合型選抜で受験してみよう」と努力を重ねてきました。
学びたい分野の教授や研究内容について調べ、総合型選抜に向けた小論文対策を進めながら、課外活動として「居場所のない子どもやおとなが集まる施設で、ものづくりを教える活動」など、さまざまな取り組みを進めてきました。
その経験は、決して無駄ではありません。
むしろ、本人にとっては大きな財産です。
ですが——
もし、もっと早い段階で、転学先の通信制高校から、「現在の評定では志望大学の出願基準を満たすのが難しいかもしれない」といった説明や、別の受験戦略についてのアドバイスがあれば、準備の進め方や進路の考え方も、違っていたかもしれません。
それでも、「転学は早いほうがいい」とは言い切れない理由
ここまで読むと「もっと早く転学したほうがよかったのかな」と不安になる方もいるかもしれません。
でも、転学のタイミングはお子さんの状態やご家庭の状況によって本当にさまざまです。
転学のタイミングに“正解”はありません。
どの選択にも、そのときご家庭が選んだ“最善”があると思っています。
わが家は今でも、「もっと早く転学していればよかった」と単純には思っていません。
わが子が限界を超えてなお、全力で参加した2年生の学園祭は、先生方が感動するほどの最高のパフォーマンスでした。きっと本人にとっては「最後の学園祭」としての覚悟があったのでしょう。
進学校での努力や、つらい経験、そして最後に輝いた時間は、何にも代えがたい貴重なものです。だから、わが家のタイミングが「間違っていた」とは思いません。
ただ、それと同時に——
「がんばって進学校に通い続けたことで、結果的に進路の選択肢が狭くなってしまうことがある」という制度の仕組みには、やはり違和感が残っています。
だからこそ、私は声を大にして伝えたいのは、「制度を知らないまま判断しないでほしい」ということです。
この事実を知ったとき、「もっと早く知っていれば」と思ったのも本音です。
でも同時に、あのときのわが家には、あの選択しかできなかったとも思っています。
最後に伝えたいこと
この経験を書いたのは、学校を責めたいからではありません。
同じように「知らなかった」ことでがっかりしたり、ショックを受けたりするご家庭を、一人でも減らしたいからです。
ここからは、自分の経験から学んだ“あえて厳しい”アドバイスです。
【自分たちで守るための教訓】
学校や先生は、一人ひとりの志望校の細かな募集要項まで、先回りしてチェックしてくれるわけではありません。
もし今、「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」などを少しでも視野に入れているなら、まずは、自分たちで志望校の受験資格(評定の基準など)を早めに確認してみてください。
そして、それを転学先への大事な質問事項として整理しておくことを強くおすすめします。
📌 転学前に必ず確認すべきこと
- 志望校の評定基準
- 総合型選抜・学校推薦型選抜の出願条件
- 前籍校の評定がどこまで使われるか
- 転学時期による単位の扱い
- 転学先のサポート体制
学校側から教えてくれるのを待つのではなく、この5つの項目を持って「親から先回りで質問しにいく」ことが、後悔しない進路選びのための大切なポイントになります。
また、通信制高校の説明会や個別相談会では、
「高校1年生で確定している評定が○○なのですが、△△大学の指定校推薦に選ばれる可能性はありますか?」
「評定が○○ですが、△△大学の総合型選抜は受験できますか?」
など、相談時点で確定している評定があれば、具体的な数字を伝えながら質問することをおすすめします。
単位や卒業条件だけでなく、大学受験まで見据えて確認しておくことで、後から「知らなかった」と後悔するリスクを減らせると思います。
今回の件を通して、学校とのやり取りの中で生じる「言葉の受け取り方の違い」が、どれほど大きな影響を与えるのかを痛感しました。
次の記事では、実際のやり取りをもとに、親としてどう伝えればよかったのか、どこで認識のズレが生まれやすいのかをまとめています。
同じように悩む方の参考になれば幸いです。
▼ 具体的なメールの例文と、伝え方のコツはこちらにまとめました。
検討するタイミングを逃さないために。わが家が電話一本で知ることになった、募集時期や制度の『厳しい現実』についても知っておいてほしいです。

制度の注意点を知ったあとは、具体的に『子どもに合う場所』を探してみませんか?
私たちが今の道を見つける最初の一歩となった、相談会の全記録です。



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