前回は、わが家が進学校から通信制高校へと視線を向け始めたときのお話をしました。
じつはそこに行き着くまでに、思わぬ壁にぶつかって
「これからどうすればいいの?」と右往左往していた時期がありました。
まずは、その時のリアルな葛藤と、正直な気持ちからお話しさせてください。
この記事でわかること
- 進学校から転校を考えたとき、最初にぶつかった意外な「壁」
- 都立新宿山吹高校へ電話をして初めて知った、厳しい現実
- 「4月まで待つしかない」と告げられたときの、親としての心境
夏休み、必死にがんばっていたわが子
夏休み、わが子は本当にがんばっていました。
今年の夏は部活を辞めて時間があるからと、アルバイトを始めたり、学校行事の準備にも積極的に顔を出したり……。
「あえて忙しくしていれば、
夏休み中に気持ちがリセットできて、やる気も出て、また普通に学校に行くことが嫌にならないかもしれない」
そんな風に、自分を奮い立たせていました。
夏休み最終日、わが子の限界
でも、夏休み最終日。
「散歩に行く」と出かけたきり、何時間も帰ってこない。
やっと届いたのは、
家から何十キロも離れた場所の写真でした。
あの子は、何時間も、
何を考えながら歩き続けたんだろう……。
その夜、夕飯を食べながら
「明日、行けそう?」と聞いてみました。
すると、いつも涙を見せない子が
「ごめんね、もう、無理だ」
と大きな声で泣きだし、
それからしばらく泣き続けました。
きっと、今日歩きながら
気持ちは決まったのだろう。
そして、私から聞かれたら言おうって
思っていたのだろう。
そのとき、私も決心しました。
「もういい。
この子をこれ以上苦しめる“進学校”という場所に通い続けて、何の意味があるんだろう」と……。

あの子の涙を見た瞬間、私の『親としての決断』が固まりました。
高校の転校について無知だった私
わが子の涙を見て、
私は一気に「転学」へと舵を切りました。
とはいえ、それまで「転校」なんて
自分たちの身に起こるとは1ミリも思っていなかった私。
知識はゼロ。
まさに暗闇の中を手探りで進むような状態でした。
時間を見つけては、こんな検索ばかりしていました。
・「進学校 転校」
・「高校 転校 どこがいい」
・「高校 転校 大学受験」
東京都の相談窓口で勧められた「都立新宿山吹高校」という選択肢
実際に聞いてみないと分からないこともあるだろうと、
「東京都 転校 相談」
のように調べて、
検索結果に出てきた
「東京都教育相談センター」
というところに電話をしました。
そこで勧められた学校が
『都立新宿山吹高校』でした。
電話口の相談員の方は、こんな魅力をお話ししてくれました。
・進学校からの転学生も多い
・大学進学にも力を入れている
・定時制と通信制があるけれど、定時制がいいのではないか(大学進学を目指す生徒も多いため)
・今の学校以上に、「大学へ行きたい」という願いを叶えられる場所かもしれない
「ここなら……」
と、希望が見えた気がしました。
そして、その勢いのまま
新宿山吹高校へ電話をかけました。
新宿山吹高校に電話して知った現実
少しでも早く、この苦しみから
あの子を解放してあげたい。
そんな焦る気持ちを抑えながら
新宿山吹高校へ電話をかけ、今の状況を伝えました。
ですが、返ってきた言葉は
予想もしないものでした。
「3学期の募集はないですよ。
次は4月募集になります」
ネットの情報では
「例年3学期の募集もある」と書いてあったはずなのに……。
なぜ?
「でも、ネットには……」
と食い下がってみましたが、
「詳しいことは説明会で」
と事務的に言われるだけ。
もちろん、学校側は
ルールに則って正確な情報を伝えてくださっただけ。
それは分かっています。
でも、当時の私には
その事務的な響きが、どうしても
重く心にのしかかってしまいました。

出口のない絶望感……あの時の心細さは、今も忘れられません。
その説明会も、
10日前くらいに申し込み受付開始されるので、Webサイトをこまめにチェックしてみてくださいとのこと。
そして、
申し込みが始まるとすぐに定員が埋まってしまうので、募集が始まったらすぐ申し込んだ方がよい
と言われました。
4月まで待つしかないの?
いつ始まるかわからない募集を待っている間にも、あの子の時間は刻一刻と過ぎていく。
そんな不確実な情報に振り回される現実に、ただただ心が重く、
電話を切ったあとも
モヤモヤとした霧が晴れないままでした。
次に転校できるのが「4月」だとしたら。
あの子はそれまでの数カ月間、
耐えられるのか……。
電話で話したことをわが子に告げると、
「4月からしか入れなかったとしても……
確実に別の学校に行けるって分かっていれば、たぶん、そこまではがんばれると思う」
と、あの子は言ってくれました。
きっと、
・都立の方が学費面で私に負担がかからないこと
・私が仕事で忙しいこと
そんな親への気づかいで、
また無理して言っているのが痛いほど分かりました。
これ以上、ガマンさせたくない…。
でも、
「新宿山吹高校」への道が閉ざされかけた今、どこへ向かえばいいの……?
そのときの私は、まだ、
「わが子の本当の限界」がすぐそこまで来ていることに気づけませんでした。
「親が出るのは恥ずかしいこと」
「自立させてください」
「親は何もしないでいいです」
という学校の空気。
何か心配なことがあっても、自分から動ける生徒たちだからと、
親が出ないことが、わが子のためなんだと、
飲み込んできた言葉が、
結果として、わが子をどれほど孤立させ、
追い詰めていくことになったのか……
担任の先生からかけられた「がんばれ」という言葉が、
わが子にとってどれだけ重石(おもし)になってしまったのか。
私がもっと早く言えていれば……
そんな後悔を抱えながら……
次回は、成績よりも、進学よりも、もっと大切にしなければならなかった
「子どもの限界」についてお話ししようと思います。
かつての私と同じように、今、暗闇の中にいる方へ。
つらい気持ちに、そっと寄り添ってくれる作品があります。
それが、『夏目友人帳』です。
じつを言うと、私は漫画も全巻持っていますが、
特に心を支えてくれたのは、アニメ版でした。
心に染み渡る音楽、映像の色彩のやわらかさ、
主人公・夏目を取り巻く人たちや、人ならぬものたちの存在の心地よさ。
そして、夏目を引き取ってくれた藤原夫妻の温かさ。
特に、お母さん代わりの塔子さんが
「たかしく〜ん」
と呼ぶ、包み込むような優しい声を聞くだけで、
思わず涙があふれて、
心が洗われるような気持ちになりました。
見終わったあと、不思議と心が少し軽くなって、
「また明日から、なんとかやってみよう」
そう思える。
そんな魔法のような作品です。
もし今、気持ちが限界に近い方がいたら。
わが家を支えてくれた作品のひとつとして、置いておきます🍃
📚 まずは1巻から読んでみたい方へ
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