前回の記事では、「転学するなら新宿山吹高校しかない」と思い込んでいた私が、いくつかの通信制高校を見学し、わが子に合う学校を見つけるまでの経緯をお話ししました。
実際にその学校へ転学してから、私はさらに大きな気づきを得ることになります。
わが子の「ここに行きたい」という選択は、間違いではありませんでした。今では、心からそう思っています。
でも、「通信制高校に転学する」と聞くと、
- 全日制高校を続けることが難しくなった子が選ぶ学校
- 勉強から逃げるための選択
そんなネガティブなイメージを持たれることもあるかもしれません。かつての私も、どこかでそんなイメージを持っていました。
ところが、わが子の学校選びを通して私が実際に目にしたのは、ネット上にあふれるイメージや偏見とは、まったく違う世界でした。
この記事では、わが子の学校生活を通して感じた「通信制高校の本当の姿」と、学校選びで本当に大切だと感じたことをお伝えします。
📖 今回の記事の前に読むと、学校選びの流れがより分かりやすくなります
▶ 進学校から通信制高校へ|都立新宿山吹高校ではなく私立通信制高校を選んだ理由
この記事でわかること
- 世間が持つ「通信制高校=逃げ」というイメージと、私が実際に見た通信制高校の姿との違い
- 進学校から転学した子に合った学び方と大学受験の選択肢
- 自己管理力が育つ通信制高校の学校生活
- 通信制高校ならどこでもいいわけではない理由と、環境選びの大切さ
- 音楽や個性を本気で伸ばしながら高校卒業を目指せる、新しい通信制高校という選択肢
通信制高校は「勉強をあきらめる場所」ではなかった
「通信制高校に行くと大学進学は難しい」と思っている方も少なくありません。ですが、決してそんなことはありません。
そして、大学受験に特化したコースがある通信制高校を選ぶことだけが、受験への最善の道というわけでもありません。
四谷学院高校のように、大学受験に特化した通信制高校もあります。基礎から丁寧に学べるため、学習に不安がある子や、もう一度基礎から学び直したい子にとっては、大きな力になるでしょう。
実際、そうした手厚いサポートによって、ゼロから東大や早稲田大学に合格したというような素晴らしい実績もたくさんあります。
でも、進学校から何らかの理由で行けなくなった子の場合は、少し事情が異なります。そうした子たちは、もともとの基礎学力はすでに持っていることが多いのです。
ですから、通信制高校に転学してからも、「一から勉強をやり直す」ことや「詰め込み型のカリキュラム」に縛られることが、必ずしも大学受験にとって最善の選択になるとは限りません。
大学受験の方法は、一つではない
わが子が転学した通信制高校には、学校にはほとんど来ない生徒がいました。来ないといっても、欠席しているわけではありません。
入学時に高卒認定のための学習を中心にしたコースを選択し、学校でのサポートは最小限にして、必要に応じてオンラインで先生へ質問するスタイルをとっていたのです。
外部の塾なども活用しながら受験対策を進め、早稲田大学にも合格。さらに、本命だった難関国立大学への進学を決めました。
学び方も、一人ひとり違っていた
この学校の通い方はさまざまでした。
登校はせずオンラインだけで参加する子、週1日、週3日、週5日、午後から通う子、夕方だけ登校する子など、それぞれが自分に合ったスタイルを選んでいました。
わが子は、朝から毎日通うコースを選択しました。
当時は、外部の塾などを組み合わせるという発想もなく、まずは学校に通いながら生活リズムを取り戻すことを最優先に考えていました。
朝からといっても始業は10時過ぎなので、進学校へ通っていた頃よりも時間にゆとりがありました。
午前中を中心に必要な科目を学べるよう個別に時間割を組んでもらい、基本はその計画に沿って勉強を進めていました。午後は、自分のペースで過ごせる時間を多く取っていました。
実際に通ってみて感じたのは、「通信制高校」と一言でいっても、学校によって学び方はまったく違うということでした。
大学受験に特化した手厚いサポートが特徴の学校もあれば、わが子の学校のように、一人ひとりが自分に合った学び方を選べることを大切にしている学校もあります。
学校での学習を中心に受験対策を進める子もいれば、外部の塾や自分に合った学習方法を組み合わせながら学ぶ子もいました。
わが子が通った学校には、「これが正しい学び方」という決まった形はありませんでした。
一人ひとりが、自分に合った方法で目標に向かって学んでいたのです。
一人ひとり違う。でも、みんな前を向いていた
学校には、じつに多様な生徒たちがいました。
- 朝から毎日通って受験勉強に励む子
- 家で自分のペースで勉強し、難関国立大学へ進学した子
- 動画編集に没頭している子
- プロのミュージシャンを目指し、ギターを練習している子
- 在学中に起業して自分のプロジェクトを動かしている子
大学進学、就職、専門学校、資格取得、音楽、イラスト、プログラミングなど、目指すゴールも本当にバラバラです。
進学校では「1時間目、1組は『数学の時間』だから、全員一斉に『数学』の授業」という世界でした。
ですが、その学校は違いました。
同じゴールを目指す学校ではなく、それぞれのゴールに向かえる学校でした。
一見するとみんなバラバラな行動をしているように見えますが、共通しているのは、『自分の時間の使い方を、自分の意思で決めている』ということです。これこそが、この学校の最大の特徴でした。
自由とは「何をしてもいい」ということではない
自分で一日の過ごし方を決めるというのは、単なる「自由」ではありません。
わが子も、基本は時間割どおりに勉強していましたが、「今日はどうしても勉強の気分じゃない」という日は、先生に相談し、ゲームをする時間に変更したりしていました。
親の目から見ると「それでいいの?大丈夫?」と思うのは当然だと思います。
私もはじめは、「そんなことで、大学に行けるの?」「もはや、勉強自体できないんじゃない?」などと次から次へ心配が頭をかけめぐっている状態でした。
でも、私自身に置き換えて考えてみたとき、かえっていいことなのかもしれないと思えてきました。たまには息抜きをしたほうが、結果として効率よく学習を進められるからです。
例えば、仕事を何時間も休みなく続けていると、集中力が切れて質が下がってしまいます。それは大人も子どもも、当たり前のことですよね。
自分の体調や集中力を自分で調整する「自己管理(セルフマネジメント)」を学べる機会だと感じました。
そして自由な環境だからこそ、『自分で考えて行動する力』も試されます。
なかには、自由な環境に慣れるうちに羽を伸ばしすぎてしまい、先生を困らせてしまう生徒もいました。そんな時、わが子が間に入って、行き過ぎた行動の周りの子たちをうまくまとめたりしていたんです。
「どうすればみんなが嫌な思いをせずに過ごせるか」を自分たちで考え、間に入って調整する。こうした周囲への思いやりの気持ちやサポートする経験は、テストの点数や成績表には表れません。
でも、社会に出たときに必ず役に立つ、何にも代えがたい大切な経験だと、親として本当に誇らしく思いました。
通信制高校ならどこでもいいわけではない
ただ、ここでひとつお伝えしたいのは、通信制高校ならどこでもいいというわけではない、ということです。
じつは、転学したあとも環境や人間関係が合わずに苦しんでいる子を、私自身が目の当たりにしたこともあれば、わが子や周囲からその切実な悩みを聞くこともありました。
「親が先導して決めてしまった。でも本当は行きたくなかった」
「周りの生徒となじめない」
その悩みは深く、夜遅く家を抜け出し、はだしで外に座り込んでいる子もいました。その姿からは、どうしようもない苦しみと闘っていることが伝わってきました。
親が出してくれた学費に責任を感じて、言い出せないまま耐えている子もいます。
「通信制高校だからいい」のではありません。『その子に合う学校』だからこそ、本来持っている力が少しずつ発揮できるようになるのだと思います。
だからこそ、「通信制か、全日制か」という表面的な枠組みではなく、「この子には、どんな環境や仕組みが合うのか」という視点で学校を見てほしい。
親の誘導ではなく、子ども自身が「ここなら行ってみたい」と思える学校に出会えるまで、親が焦らずに、子どもの言葉に耳を傾けて、いくつかの学校を実際に見比べてみることが本当に大切だと感じています。
わが子の笑顔を見て、親の私が気づいたこと
わが子が転学した通信制高校の説明会での出来事を、今でも鮮明に覚えています。
実際に通っている生徒さんたちが、前に立ち、「本当にみんなバラバラのことをしています」「留学する子もいれば、ゲームをして過ごす子もいます」などと、ありのままの日常を話してくれました。
それを聞いたとき、正直なところ私は「自由すぎて大丈夫かな💦」と不安になりました。
でも、ふと横を見ると、ほかの学校では「つくり笑顔」しか見せなかったわが子が、楽しそうな笑顔で、その子たちの話を聞いていたのです。その後、わが子は自分から率先して質問を始めました。
私はまた、「自由=不安」という自分の物差しで、余計な口出しをするところでした。
「そっか、この子は最初から、ここが自分の居場所だと直感で見抜いていたんだ」
子どもの将来を思うからこそ、「少しでも有利なほうへ」と考えてしまうのが親心。
けれど、わが子のあの笑顔こそが、何よりの正解だったのだと気づかされました。
音楽を本気で学びながら高校卒業を目指すという、新しい選択肢
通信制高校が「学び方を選べる場所」だからこそ、勉強をがんばる子もいれば、自分の好きな道を突き詰める子もいます。
わが子が転学した学校にも、プロのミュージシャンを目指してギターを練習している生徒がいました。
学校には、趣味レベルでギターを弾ける先生はいましたが、専門的な指導を受けられる環境までは整っていませんでした。「もっと専門的に学べる環境があればいいのに」と感じる場面もありました。
最近になって、和歌山南陵高校とオンライン音楽教室「オルコネ」が提携した、新しい通信制課程の資料を読む機会がありました。
私が一番惹かれたのは、現役第一線で活躍するプロミュージシャンからマンツーマンで学べるレッスンが、高校の卒業単位として認定される仕組みです。
講師には、有名バンドのサポートや劇団四季、宝塚歌劇団などで活躍するプロミュージシャンが100名以上在籍しているそうです。
進学校や私たちがこれまで見てきた学校では、選択授業といっても、国語や数学、英語などの教科が中心でした。そこに「プロによるマンツーマンの音楽レッスン」が『高校の学び』として加わるという発想は、私にとってとても新鮮でした。
『夢に直結した学びが、そのまま単位になる』という新しい学び方が実際に生まれていることに、通信制高校のさらなる可能性を感じました。

えっ、レッスンが高校の単位になるの!?
本当に、いい時代になったなぁ
わが子もドラムやピアノ、ボイトレを習っていた時期があり、軽音部でボーカルをしていた経験もあります。
実際に教室へ通わせていたからこそ分かりますが、音楽関係の習い事は、レッスン費用も決して安くありません。専門的な指導を受けようとすれば、それだけで家計には大きな負担になります。
だからこそ、「高校の学び」としてプロの指導を受けられるこの仕組みは、経済的にも時間の使い方の面でも、親として大きな魅力だと感じました。
こちらの学校の通信課程は、今年(2026年)に開講したばかり。わが子が転学した当時はまだありませんでしたが、もしこの情報を知っていたら、間違いなく「一度、説明会に行ってみる?」と声をかけていたと思います。
私自身は見学したことがない学校なので、詳しい雰囲気まではお伝えできません。そして、この学校がすべての人に向いているとも思いません。
でも、「好きなことを趣味で終わらせたくない」「将来は音楽に関わる仕事を目指したい」という子にとっては、一般的な通信制高校とはまた違う魅力のある環境だと感じました。
🎵 プロの音に触れることで、お子さんの表情が変わるきっかけになるかもしれません
「好き」を高校生活の学びにつなげられる学校があることを、私自身、今回初めて知りました。興味のある方は、まずは資料や学校説明会で、実際の内容を確認してみてください。
\ 好きな音楽を「単位」にして /
\ 自分らしく学ぶ! /
※掲載内容は執筆時点の資料をもとにしています。最新の情報は、公式サイトまたは学校へ直接お問い合わせのうえ、ご確認ください。
まとめ|学校は、一人ひとりが自分の未来を見つける場所
わが子が転学した通信制高校には、大学進学を目指して努力を重ねる子、大好きな音楽に打ち込む子、自分のペースで着実に高校卒業を目指す子など、さまざまな生徒たちがいました。
通信制高校という環境の中で、それぞれが『自分なりの夢や目標』を見つけ、それに向かって自分の足で力強く進んでいる姿がとても印象的でした。
決められた枠がない自由な環境だからこそ、自分で目標を決め、それに向かって前向きに努力していく。その経験こそが、高校生活の中で得られる何より大きな学びなのだと感じます。
学校は、みんなと同じ形を目指す場所ではなく、一人ひとりが自分らしい未来を自由に描いていくための場所。
私はわが子の転学を通して、心からそう思えるようになりました。
だからこそ、これから進路を探す親御さんには、学校名や偏差値などのイメージだけで選択肢を狭めないでほしいのです。
「この環境なら、自分らしく夢に向かって進んでいける」
大切なお子さん自身がそう思える場所を、ぜひ広い視野で一緒に見つけてあげてください。
🎵 音楽を本気で学びたいお子さんへ
この記事では、「その子に合う学校選び」が何より大切だということを書いてきました。
もし、お子さんが音楽を将来につなげたいと考えているなら、「和歌山南陵高校×オルコネ」のような学校も選択肢の一つになるかもしれません。
私自身が見学した学校ではありませんが、資料を読んで『こんな学び方もあるんだ』と惹かれました。
まずは資料で、プロ講師の方々の顔ぶれを見るだけでも、ワクワクした気持ちになれるかもしれません。
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わが子が『ここがいい』と、納得のいく場所を見つけた理由。前回の記事はこちらから👇

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