通信制高校への転学を考えたとき、
多くの親御さんが、こんな不安を感じるのではないでしょうか。
「進学校を辞めるなんて、逃げになる?」
「通信制高校に転学したら、不利なのでは?」
わが家も、たくさん悩みました。
「本当にこの選択で大丈夫なのかな……」
そんな不安が、何度も頭をよぎりました。
「進学校を辞めたら、一生後悔するんじゃないか」
「今ここで立ち止まったら、この子の将来はどうなるの?」
そんな、夜も眠れないほどの不安。
わが家も、全く同じでした。
でも、
実際に転学を経験した今、はっきり言えることがあります。
通信制高校への転学は、逃げではありません。
そして、少なくとも、
“人生において不利だった”とも感じていません。
なぜなら、
あのとき何より大事だったのは、
「世間の正解」ではなく、
「わが子に合う環境で過ごせること」
だったからです。
この記事では、
進学校から通信制高校へ転学したわが家の経験をもとに、
「逃げなのでは?」という葛藤や、転学後に感じた変化、
そして今、私が思う
“通信制への転学は、本当に「不利」なことなのか”
について、正直に書いていきます。
この記事でわかること
- 進学校から通信制高校へ転学することは、本当に“逃げ”なのか
- 親が無意識に持っていた「進学校=正解」という価値観
- 思い描いていた高校生活とのギャップ
- 「辞めたい」と言えなかった子どもの本音
- なぜ今、わが家は「転学してよかった」と思っているのか
「進学校=正解」——そう思わせてしまっていたのかもしれない
私は、はじめから、
「進学校を辞めるのは逃げ」
とは思っていませんでした。
でも、
「せっかく努力して入った学校なのに、少しもったいないな」
という気持ちは、正直あったと思います。
入学前、ネットで学校(進学校)の評判を調べると、出てくるのは、
「面倒見がいい」
「進学実績が高い」
「最高に楽しい学校」
「キラキラした毎日が送れます」
そんな前向きな言葉ばかり。
わが子が、
「この学校に行きたい」
と言ったとき、私は、
「すごいね!ここなら、いろいろな可能性が広がりそうだね」
「ここに入れたら、いろいろなすごい友達もできそうだね」
そんなふうに、
進学校に入ることへの期待ばかりを、話していました。
今思えば、私は無意識のうちに、
“進学校が正解”
という価値観を、わが子に刷り込んでしまっていたのかもしれません。
本人は、
「勉強が好きだから進学校へ行きたい」
というタイプではありませんでした。
学校の授業や受験勉強そのものが好きだったというより、
「これをがんばれば、やっと自分がやりたいことができる」
そう信じて、努力していました。
だから、本当は好きではなかった勉強も、がんばれた。
わが子にとって進学校は、
“自由を手に入れるための場所”
だったのだと思います。

でも、
現実は違いました……。
入学して見えた現実|思い描いていた高校生活とは違った
思い描いていた高校生活を、楽しもうとしていた
わが子は、入学当初、
高校生活を本当に楽しみにしていました。
部活は3つ掛け持ち。
学校行事にも積極的に参加。
「この学校で、充実した高校生活を送りたい」
そんな気持ちが、きっとあったのだと思います。
でも、現実は、想像以上に過酷でした。
毎日出される大量の課題。
予習ありきで進む授業とテスト。
そして、
容赦なく押し寄せる勉強量。
通学時間も長く、ただでさえ睡眠時間は削られていきます。
一人ひとり、
体力も、体調も、通学距離も、家庭環境も違う。
それでも、
出される課題の量も、
締切も、
評価の基準も、
基本的にはみんな同じ。
一人ひとり状況は違っていても、
同じペースを求められる環境だったように思います……。
それでも最初のころは、部活が大きな支えになっていたようです。
「部活のために学校行ってるようなもんだよ」
そう話していた時期もありました。
でも、数カ月経つころには、少しずつ変化が出てきました。
学校へ行く理由にもなっていた部活。
その楽しさや居心地のよさが、少しずつ薄れていったようでした。
気づけば、楽しさよりも負担のほうが大きく感じられるようになっていきました……。
土日も部活がある日々で、休みなく朝から晩まで時間は埋まっていく。
終わらせなければならない予習や課題に手が回らず、
次第にそれは「楽しい時間」から、
「勉強の時間を圧迫する存在」へと変わっていったのかもしれません……。
「最近どう?」
と聞くと、以前のような笑顔はなくなり、
「うーん、あまり楽しくはないかな」
という返事が増えていきました。
少しずつ限界が近づいていた
その頃から、
心だけでなく体にも変化が出始めていました。
夜もほとんど眠れなくなり、
頭の中では不安や考え事がぐるぐると巡る。
寝ようとしても気持ちは休まらず、
気づけば朝を迎えていました。
それでも、なんとか登校する。
遅刻しながらでも、無理をして学校へ向かう日が続いていました。
今思えば、すでに限界が近づいていたのだと思います。
「ここじゃない」——わが子が感じ始めた違和感
わが子は、どちらかというと、
自分で考えて行動するタイプです。
私の意見は聞くけれど、
納得できなければ、自分で考え、自分で決める。
人から言われたからではなく、
「自分で意味を感じられるか」
を大切にする子でした。
勉強も、
“学ぶこと”そのものが嫌いなわけではありません。
ただ、学校の授業や受験勉強のような、
「決められた勉強」は、あまり好きではありませんでした。
一方で、好きなことへの集中力はすごい。
小さい頃は、本を読んでいると、
名前を呼んでも気づかないほど没頭していました。
だから本当は、勉強そのものが嫌いだったわけではなく、
「意味を感じられる学び」が好きだったのだと思います。
だからこそ、気づいてしまったのかもしれません。
「思っていた場所じゃなかった」と……。
「この勉強をがんばれば、やっと自分のやりたいことができる」
そう信じて、努力して入った学校。
でも現実は、想像以上に“勉強中心”の日々でした。
やりたいことに近づく感覚より、
“やりたくないことだけが増えていく感覚”のほうが強くなっていった。
そして、少し考える余裕ができた頃、
わが子の中で、
静かに、でも確実に、
変化が起き始めていたのだと思います。
「ここじゃない」
「自分の居場所は、ここじゃない……」
――そう感じ始めていたのかもしれません。
そして私も、少しずつ、
「もしかしたら、進学校という場所が合わなかっただけなのかもしれない」
そう思うようになりました。
「辞めるのは逃げなのかな」——わが子が抱えていた気持ち
それでも、簡単に「辞めたい」とは言えなかったのだと思います。
自分で選んだ学校。
努力して入った学校。
そして、周りの期待も感じていたこと。
「せっかく入ったんだから」
という空気も。
そうしたいろいろな思いが重なって、簡単には言葉にできなかったのだと思います。
そして、その中で一番強くあったのが、
「辞めるのは逃げなんじゃないか」
という気持ちでした。
実際に、本人がこう口にしていました。
「みんなはできているのに、自分だけ嫌だと思うのは、逃げなのかな」
「まだがんばれるんじゃないか」
「ここで辞めたら、弱い人間なんじゃないか」
そんなふうに、自分を責めながら、
限界を超えてもなお、無理を続けていたのだと思います。
でも今なら、はっきり言えます。
それは、逃げではなかった。
ただ、“居場所が違った”
それだけだったと思っています。
転学後に見えた景色|あのとき環境を変えたからこそ、守れたもの
今振り返ると、
もし、あのまま無理をして進学校に通い続けていたら——
心も体も、取り返しのつかない状態になっていたかもしれません。
転学後、わが子が最初に言った言葉が、
「疲れたから休みたい。とにかく寝たい」
でした。
それほどまでに、心も体も限界だったのだと思います……。

「寝たい」という言葉が最初に出るなんて。
そこまで身も心もボロボロだったんだよね……。
休むことから始まった再スタート
転学先の通信制高校でも、わが子は、
「週5日登校するスタイル」を選びました。
でも、すぐに通い始めたわけではありません。
入学手続きの直前に学校へ相談し、最初の1カ月は休ませてもらうことにしました。
まずは、「元気になること」。
それを最優先にしよう。
そう決めました。
通信制高校(サポート校)のよさのひとつは、こうした“時間の自由度”があることだと、私は感じています。
もちろん、学校によって仕組みは違いますし、登校スタイルもさまざまです。
でも、少なくともわが家の場合、
「今は休んだほうがいい」
という選択を取ることができました。
全日制高校などでは、難しかったかもしれません。
長く休めば授業についていけなくなる。
成績への影響もある。
「休んでいる場合じゃない」
そんな空気もあると思います。
通信制高校(サポート校)だからこそ、
“一度立ち止まる時間”をつくることができた。
これは、わが子にとって本当に大きかったと思います。
その1カ月、たくさん寝ました。
好きだった“つくること”に、思いきり時間を使いました。
すると、少しずつ、笑顔が増え、
わが子らしさが戻ってきました。
何かをつくっている時間は、余計なことを考えなくていい。
ただ夢中になれる。
その時間が、少しずつ、
わが子を元気にしてくれていたのだと思います。
環境を変えた先で見えた、もうひとつの可能性
そして、転学から半年ほど経った頃。
わが子は、クリエイターが集まるマーケットに自分で応募し、初出店を実現させました。
周りは、年齢がずっと上のクリエイターさんばかり。
そんな中、わが子の作品を買ってくださった方が、わざわざ戻ってきて、
「これ、本当にかわいいです♡」
と伝えに来てくださったそうです。
帰宅後、その出来事を、本当にうれしそうに話してくれました。

すごいうれしかった!
がんばってつくってよかった♪
その笑顔を見たとき、私は思いました。
あのとき環境を変えたからこそ、守れたものがあったのかもしれない。
そして、学校の勉強だけでは見えにくい、その子らしさや感性が、
少しずつ未来につながり始めていたのかもしれない、と。
通信制高校への転学は大学受験や将来に「不利」なのか?実体験から思うこと
通信制高校への転学を考えたとき、
こんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
🐰通信制高校への転学での不安要素
正直に言うと、
私も最初は、不安でした……。
「本当にこの選択でよかったのかな……」
そう思わなかったと言えば、うそになります。
実際、世の中には、
「〇〇大学出身なんですね、すごい!」
そんな会話を見聞きすることもあります。
学校名に、一定のブランド力があるのも事実だと思います。
でも、これまで仕事を通してさまざまな人と出会う中で、私が感じてきたことがあります。
本当に信頼される人。
また一緒に仕事をしたいと思う人。
人として尊敬される人。
そういう人に、学歴は“絶対条件”ではない。
私は、そう感じています。
もちろん、学歴が武器になる場面もある。
努力して難関大学へ進むことも素晴らしい。
進学校が合う子もいます。
でも、それがすべての子に当てはまるとは限りません。
合わない場所で、
心を削りながら無理を続けること。
その結果、心を壊し、自分らしさを失い、「生きる力」そのものまで失ってしまうこと。
むしろ、それこそが、
人生において大きな不利になることもあるのではないか。
今の私は、そう思っています。
最後に伝えたいこと
もし今、お子さんが、
「学校がつらい」
「ここじゃない気がする」
そんなサインを出しているなら——
どうか、
“大丈夫”という言葉を、真に受けすぎないでほしいのです。
子どもは、親を困らせたくなくて、本音を言えないことがあります。
親が忙しいことも、
お金がかかることも、
親が無理をしてがんばっていることも、
想像以上によく見ています。
だから、
「つらい」
「もう限界」
と、言えない子もいる。
笑っていても、
いつもどおり学校へ向かっていても、
“本当は限界だった”
ということもあります。
だからこそ、言葉だけではなく、
小さな変化にも目を向けてみてほしいのです。
本当に苦しくなる前には、
小さなサインが出ていることもあります。
進学校を辞めることは、逃げではありません。
通信制高校へ転学することも、人生の敗北ではありません。
ただ、
“その子らしくいられる場所を選び直した”
それだけのことなのだと、思っています。
その子に合った環境に出会えたとき、
止まっていた時間が、少しずつ動き出すこともあります。
あの日、進学校を去ったからこそ、
今があります。
今、わが子は、
自分の道を、自分なりに切り開こうとしています。
そんな姿を、誇らしく思っています。
だから、あの日の選択は、間違いではなかった。
今の私は、心から、そう思います。

あの日、立ち止まる勇気を出して、本当によかった。
お子さんにとっての「居場所」が、見つかりますように。
▼ 次の記事
“大丈夫”と言う子ほど、見えないところで無理をしていることがあります。
その理由はこちらで詳しくお伝えしています。
今、一番大切なのはお子さんの心を守ることです。 でも、いざ動き出そうとしたときに「もっと早く知っておけばよかった」と後悔してほしくない……。
こうした後悔を防ぐために、転学する前に必ず知っておいてほしい「タイミング」や「成績(評定)」の注意点について、こちらの記事に詳しくまとめています👇



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